生後1カ月の子猫の症例である。左眼の異変に気付いて、購入先のブリーダーに連絡したそうである。手渡されたのは、ブリーダーがオンラインで手に入れた動物用点眼薬!点眼開始後約5日後に、突然眼が飛び出した!
初診時の肉眼所見
本当に小さな症例である。左眼が飛び出しているのが、確認される。
同所見
気を失わんばかりの混乱ぶりで来院した。
同所見
しかし、検査の結果角膜が融解を起こして、内膜が眼圧によって突出しているのが確認された。眼球そのものには異常は無く、あくまでも角膜のみの疾患であった。突出した角膜は、既に生活能力を失っている。
角膜移植後の所見
失活した角膜をトリミングし、生きている部位のみを残した。その後、移植パッチを全眼球に移植した。矢印は、縫合糸を示す。移植片の透明化には、数カ月の時間を要する。眼球の温存に成功した。