右側前脚指間部に形成された腫瘤である。痛みも痒みも認めない為、ホームドクターでは、経過観察となっていた。しかし、徐々に大きくなって来た為に、オーナーが不安を感じての受診となった。
初診時の肉眼所見
直径約5~7mm程度の円形腫瘤である。僅かに発赤を認め、一部内容物が噴出したと思われる凹部が認められる(黒矢印)。独立性であり、周囲への波及は認められない。この部位は皮膚組織が少ないために、切除手術は慎重にならないといけない。切らずに治す!
処置後1週間目の肉眼所見
腫瘤は凝縮して、痂皮(かさぶた)様になっているのが確認できる。皮膚周囲より僅かに陥没して、分離しているように見える。
処置後2週間目の肉眼所見
毎日の手入れの為に行っていた手洗い作業中に、痂皮病変部はコロンと取れたとのことであった。
僅かに脱落した後の病変が認められるが(黒矢印)、治療終了である。